恋心

1/1
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ

恋心

あなたの存在を知り 初めて会話のやりとりをした 小さな機械を通して 文章にして 毎日メールのやりとりをしていた 次第に"親しみ"が 私の中から生まれるのがわかる その"親しみ"が いつの間にか"恋心"になっていた 何も気にせず ただ楽しくやりとりする だけど、あなたには恋人がいた そのことを知った私は、深い暗闇に突き落とされたみたいに 一気に"寂しい"気持ちが溢れてきた それでも やりとりは続いていた だけど、時々寂しくなることがある メールだけじゃなく 電話もした 着信音が鳴ると、 自分の心臓の音が高鳴った でも、 メールしているのと変わりなく 楽しかった そして… 初めて会って出掛けた 運転している彼は いつもメールしている彼だった 電話で話した彼だった あっという間の2時間 私は、夢の中にいたような感じだった 楽しい時間は すぐに終わってしまう だけど、辛い時間は 長く、すぐには終わってくれない 会ったあの日から 何の便りも来ない ずっと 小さくなっていた寂しい気持ちが 大きく広がっていく ねぇ神様 何故あの人と逢わせたの? こんなに苦しい思いをするなら 最初から逢わない方がよかったのに… あの楽しかった頃は 綺麗な桜色だったのに 今はもう 儚い紫色になっている  
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!