プロローグ

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まだ暑いというよりは暖かく、桜が散りきっていない春と夏の境目の季節。 そんなある日、俺は、いつも通り学校の帰路につく。 「ふぅ………今日も疲れたなぁ」 疲れた………といっても部活はしていない。 いや、あえていうなら帰宅部だ。 しかし学校の授業のみで俺のHPという名の体力はかなり削られてしまう。 授業中、机で寝ていたせいで固まった体を、ほぐすようにのばしながら歩く。 「なんか………つまんねぇな。」 今日もいつも通りの一日だった。 朝は遅刻寸前まで爆睡して親に叩き起こされ、学校では友達とわーわー騒いで授業に入ればのび〇並の早さで眠りにつく。 まさに昨日をそのままコピーしたような一日だった。 多分家に帰っても昨日と同じようなことしかしないだろう。 「異世界にでも旅にでたいなぁ………。」 危ない独り言を喋りながら薄暗い道を歩く俺―――神山悠斗は、自身の生活にあきてきていた。
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