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先程まで誰も居なかったはずなのに、身近で発せられた声に思わず驚いてしまった。
声がした方をみる。
すると、前方数メートルほど先に屋台のような物があり、そこに先程俺に声を掛けたであろう人物がいた。
さっきまであんな物はなかったし人もいなかった。
ありえない。
どこから現れたんだ……
「どこから現れたんだ……って思ってるね?」
「なっ!」
その人物…男だが……俺の反応に満足したのか不敵な笑みを浮かべる。
薄気味悪いな。
「……で、どうする?その福引き券で福引きする?」
そう聞かれ、少々不信感を抱いていた。
………が、このありえない現象への好奇心には勝てず、俺は福引きをすることにした。
だって人間だもの。
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