異世界への招待状

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パッケージを見ているとさっきと同じ……いや、さっきより強い突風が吹いた。 激しい砂埃と凄まじい風により、またもや目を開けられなくなった。 「頑張ってね」 風は十数秒程で止んだが、風が吹いている時におっさんの声が聞こえた。 頑張れとはどういう意味なのだろうか……… 俺は舞い上がった埃がおさまったのを薄目で確認すると目をはっきり開ける。 しかしそこには先程いたおっさんも、屋台も跡形も無く消えていた。 誰もいなかったはずなのに今は人もちらほらいる。 しかし俺の手には、福引きで当てたゲームがしっかりと握られていた。 しばらくして、今の状況を把握すると突然、何かわけのわからない恐怖が体の底から込み上げてきた。 気持ちわりぃ…… 考えてるとさらに薄気味悪くなってきたので俺はなるべく無心で、そして全速力で家に走って帰った。 おいこら今チキンとか思ったやつ出てこい。 その通りだ。
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