修学旅行

3/6
前へ
/147ページ
次へ
足早に俺はミュージアムに入った。 な、なんだよ……これ。 そこは、すごいとは言えない所だった。 ガラスケースには、生々しく、大和の残骸の数々が展示してあり、頭上には大海原を走り抜ける大和の巨大な写真が掲げられていた。 さらに俺は、震える肩を手で抑えながら、奥にある液晶テレビを見た。 そこには、20年前、東シナ海に沈む大和を撮影したものだった。 機銃の残骸 大穴があいた甲板 それを見た瞬間、俺はその場で泣いた。 心がきしむようだった。
/147ページ

最初のコメントを投稿しよう!

163人が本棚に入れています
本棚に追加