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助手席に座っていた澄は今朝の
道路状況を確認をしていると
工事が始まったのか車の流れが少しもたついていた。渋滞に巻き込む事を察知した澄は、左右を確認し走行しようとする奏にこの事を教えた。
「先輩、ちょっと混んでます。」
「しょうがない、別の道路を使うか。」とぶっきらぼうに答えた奏はUターンをし、違う道路を利用し勤務先へと向かい始めた。
「急いでも五分遅れか…。」
奏はデジタル時計に印されている時間を確認していた。
何故ならば普段使う道路は、だいたい二十分ほどで勤務先に着くのだが、この日は普段より十分弱掛かる道路を、奏はやむを得ず利用をする事にした。
澄はいつもの様に携帯をいじっていた時、何かを思い出したのかのように澄は突然、黙々と運転している奏に話を切り出した。
「先輩、そういえば沖縄行きまであと二週間ですよね?」
「んー、私が留守する間それまでの交通手段、自分で何とかしてね。」と奏は明るい声で答えた。
彼女を羨ましく思ったのか澄は横目づかいで「離島でしょ?いいなぁ。」と呟き、口を尖らせた。
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