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「おぅ、そっか。」 「二回目なんだけどさ、以前 撮れなかった分バンバン撮れたから。」 「そりゃ良かったじゃん」 勝ち誇ったかのような満面の笑みを浮かべる航太を見た奏は、彼に笑顔を返し一眼レフをいじりながらこう呟く。 「あともう少ししたら私、暫く 東京離れるからなぁ。」 「左遷?それとも国外退去?」 「アホ、ただの出張じゃ。」 航太は奏と年齢が近い為か、社内でいつも彼女をからかっていた。 お互い顔を綻ばせながら、 無駄話をしている二人の様子を 澄は時折手を止め、楽しそうに 眺めていた。 二人がやり取りをしている中、 風変わりな男性が航太の背後に近付き彼に声を掛ける。 「伏見。俺が出勤して来たと言うのに、里山と無駄話をしているとは随分といい度胸をしているなぁ?」 「…ん?あっ!田崎さん!」 振り向いた航太は田崎と名乗る一人の男性の存在に気付き、「んじゃ、また後で。」と奏に告げた後そそくさと立ち去り、自分のデスクへと向かっていった。 「田崎さん、お早うございます。」
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