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男性アシストの柳沢を筆頭に、他の同僚たちも次々と起立し彼に挨拶をする。 「はい、お早うさん。」 デスクに着いた田崎は、明るい口調で全員に言葉を返した直後、そのまま朝礼を始めた。 そう、田崎はこの事務所の上司である。 一見そこら辺にいる陽気な中年男性に見えるが、その見た目とは裏腹に、かなりのやり手として業界で知られていた。良き兄貴分と評されているが、個性が強いせいか、スタッフ全員から上司と言うより「奇抜なオヤジ」として見られている。 朝礼をしてから数時間後、オフィスにいる皆が各自の仕事に取り掛かる中、上司の元に一本の電話が入って来た。 「はい、もしもし。――どうもいつもお世話になっております、はい。……はい。」 電話の相手は今回の仕事関係者からだった。男性アシストの竹田が訪れている現場先は、田崎が長年ご贔屓している所でもあった。 “恐らく仕事関係の事で連絡してきたのだろう。”そう思った田崎は、のんきに電話のやり取りをしていたが、「はぁ、はい。――はい。」と相槌をする度に徐々に複雑な表情へと変わっていった。
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