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澄は一旦飲用する事をためらうが、このだるさを取る為彼女は気合いを入れ栄養ドリンクを一気に飲み干す。 「……まずい。」 澄は、今朝見た夢を思い出していた。 「…嫌な記憶。あの時、浅瀬で遊んでた時、高波に襲われて大変な目に遭ったんだよね。」 栄養ドリンクの空き瓶をぼんやりと見てた時、夢の中に出て来た 「人の姿」が一瞬、脳裏によぎり 澄は、“もう一つの記憶”を ふと思い出した。 「あ、そうだ。あの時、近くにいた人が私を助けてくれたんだよね。…これだけは普通に忘れてた。」 幼い頃、恐い目にあった出来事は時が経つにつれ、自然と記憶は消えていくと言うが、皮肉な事に彼女の場合はその記憶が残っていた。だが、この時の彼女は…、 “忘れていた記憶の一部”を 思い出した彼女は、嫌な気分に なったと言うより、ほんの少しだけ気になりだした。 「どんな人だったけ…。」 ボサボサになっている漆黒のショートヘアは、朝の光りによって美しく輝く中、澄は記憶のかけらを探し始めた。
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