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ぼんやりとしている彼女の様子に気付いた奏は、耳元に近づき… 「ちょっと!早く支度して!」 と、気合いの喝をいれる。 「あ、はい!スイマセン。」 奏の一言で“記憶の世界”から “現実”へと引き戻された澄は、ハッと我に帰り、ようやく出勤の準備に取り掛かる。 「げっ!もうこんな時間!?」 時刻は八時十五分 それを見た彼女は更に慌てだし、急いで身支度に取り掛かる。 そんな様子を見た奏は内心呆れながらも、いつもの様に 「エンジンかけとくから、早くしなよー。」 と平然な顔で声をかけた後 ひと足早く、家を後にした。 「分かったー。」 澄は急いで着替え、携帯食品を手に取り自分のバッグに補充し赤色のスニーカーを履き、ようやく家を後にした。 二人の一日の始まりは 普段より少しだけ慌ただしかった。
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