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「俺だけで充分だ、手ぇ出すなよ」
「心配しないで、そのつもりよ」
アニーが承諾。対してブラムは不満顔だ。
「ガル。アタシにも一匹ちょうだい」
「あぁ?仕方ねぇなぁ、じゃあ右の奴やるよ」
「りょ~かい」
言うが早いか、ブラムが草原を疾走しオークの前で急停止。槍の一撃を回避し背後に回る。
「バイバイ、のろまオーク」
肉を突き破る嫌な音と共に、オークの胸から血に濡れた腕が生えた。その手には心臓が握られている。
「弱~い!そんな子はお仕置き決定!」
無造作に腕を引き抜く。その動作により慣性が加わり、オークはゆっくり仰向けに倒れる。
「まだ倒れちゃダメ」
持っていた心臓を真上に放り投げ、倒れてくるオークの首に蹴りを放つ。蹴りの衝撃に耐えきれず首がちぎれ飛ぶ。
「最後に、ガル直伝の微塵斬り!」
絶命したオークに手刀のラッシュを見舞う。手刀が当たる度にオークの体が刻まれる。
落下してきた心臓を掴み、俺に手を振る。
「ガル~、終わったよ~」
返り血を浴び、手に心臓を持って笑顔で手を振る女の子…恐すぎる!夢に出てきたら、間違いなくうなされる。
弱々しく笑い手を振り返す。もちろん直視しないようにして。
「さて、どうする?まだやるかい?」
仲間が殺されるのを呆然と見ていたオークに問いかける。
「ト、当然ダ!」
我に返り大声をあげて返答してきた。かわいそうに、ここで引けば見逃したのに。
「じゃあ死ね」
俺は異端の能力を発動させる。オークには俺が突然消えた様に見えただろう。多分それがオークの見た最後の光景。
次の瞬間には背後に現れた俺が首を斬り飛ばしていた。
「はい、終了~。呆気なさ過ぎてつまらないな」
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