遺跡の少女

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「こ、これが異端者の戦い方、なのね」 「驚いた?一般人が異端者に関わる事なんて無いもの、当然ね」 「そうだな」  俺は刀を鞘に収め、ロザリカの背後に姿を現し会話に加わる。 「!?」  弾かれた様に俺を見るロザリカに説明してやる。 「そんなにびっくりするな。影の中を移動しただけだ」 「え、影?」  困惑するのも無理はないが、本当にそれだけだ。 「俺は幻影術と呼んでる、幻を見せたり、影を操れるのさ」 「…凄いわね。あなた達になら、今回の調査、成功しそう」 「そりゃどうも。さぁ、休憩終わり。出発しよう」  歩き出そうとしたらブラムの声に止められる。 「ガル~、お腹すいた~」 「やれやれ、ほんっと自由なのなお前…で何食ってるの?それ、さっきの、心臓?」 「うん、美味しいよ。ガルも食べる?」  アニーは顔をしかめ、ロザリカは青ざめている。 「い、いや…いらない」 「食べようよ、美味しいから」  執拗に勧めてきやがる。食えってか、オークの生心臓。黒魔術の材料みたいなグロテスクな物食えってか。無理無理無理!、絶対無理! 「そんなに旨いならブラムが食べた方がいい。それにほら、俺、腹減ってないし」 「そぉ?じゃあ、遠慮なく…」  心臓を旨そうに頬張るブラム…はたから見たら、こいつがモンスターだ。 「き、今日はここで野宿にしようか」  もう少し進むつもりだったが…下手にモンスターに会ってしまったら、また心臓を食わされそうで恐い。 「了解。どこかの悪食のせいで、まったく食欲湧きそうないけど」  ブラム以外の全員が頷く。お前のせいだよ…気付いてくれ、頼むから。 「…焚き火用の枝でも集めてくるから、適当に休んでな」  俺は枝を探しに歩きだした。まだ先は長そうだ。
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