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陽光差す森林の中を、三人の男女が立っている。二人は女、その内の一人はくすんだ金髪のロングヘア、服装は茶色のカウボーイハットにブーツ、腰には二挺の拳銃を差している。まさしくカウガール。もう一人の女は、少女と言った方がいいかもしれない年頃で、茶髪のセミロングで毛先が外にはねている。Tシャツに半ズボン、下にはスパッツを穿いている。一人は男、短い黒髪に黒のロングコートを纏い、全身真っ黒。夜中の路地裏とかにいてもまったく気付かないだろう。
この三人、もちろん森林浴にきたわけでは無い。その証拠に、周りには豚の顔に人間の身体をしたモンスター。オークの死体が無数に転がっていた。
「さて、仕事も終わったし、森林浴と洒落こむか?」明るい口調で男が二人の女に問いかける。
「そうしたい所だけど、やめときましょ」カウガールが続ける。
「ガルシア、一般の人間が今の私達を見たら、どう思う?」
「分かるわけないじゃん。バカでしょ、アニー。バカでしょ?」セミロングの少女がカウガールの女、アニーをからかう。
「ブラム、あなたは少し考えなさい。で、どう思う?」ブラムの言葉に多少呆れながら、再び問いかけてくる。
「さぁ?他人がどう思おうと、俺には関係ないし。強いて言うなら、ドン引き?」
「…血まみれの姿を見てドン引きで済むと思ってるの、本気で?正気で?人格疑うわ」
確かに、血まみれの人間を見てはドン引きで済まないだろう。
「そこまで言うか普通…お前の言葉にドン引きだよ。それはそうと、大変なことに気付いたんだが…」
アニーとブラムの顔に疑問符が浮かぶ。
「言いにくいんだが、明日から仕事がない」
「ハアァー!?」
森林内に女二人の声が響いた…。
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