来訪者

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「おはよう、諸君。君達のおかげで、昨日の仕事は大成功だった。では、恒例の朝のミーティングなんだが…ってかお前ら、少しは聞けよ」  ガルシアの自宅兼事務所内には、所員が揃っていた。アニーとブラムの二人だけだが。そしてこの二人、ガルシアの話をまったく聞いていない。アニーは銃の手入れをし、ブラムは爆睡中。 「ミーティングやっても意味ないでしょ、仕事ないんだから。大体何でそんな偉そうなのよ」 「いや、実際偉いから。所長だよ、俺。仕事無くてイライラしてるのは分かるが、俺に当たるな。それに、やることが無いわけじゃない」  言うなりガルシアは[ガルシア専用、使った奴は微塵切り]と書かれた机に向かい、書類らしきものを取り出しアニーに放る。 「昨日の仕事の報告書。依頼人に届けて金貰ってきて」 「仕事無いんじゃなかったの?」  アニーの言葉にガルシアは苦笑し、肩をすくめる。 「報告書届けるだけだぜ、ガキでも出来る事を仕事とは言わないだろ。俺達には俺達しか出来ない事がある。そういうのを仕事って言うんだ」 「これも立派な仕事だと思うけど?」  不満げながらもアニーは外へと向かい、立ち止まり振り返る。 「ガルシアはどうするの?まさかサボり?」 「所員が動いてんのにサボれないだろ」 「働いてるとはいわないのね」 「はいはい、どうせだからブラムも連れてけ。ほら、起きろブラム」  未だに爆睡中のブラムを軽く小突き、目を覚まさせる。 「…んにゃ?報告書届けるのは嫌だよ」 「聞いてた上で寝たふりかよ…帰ってきたらマタタビあげるから、さっさと行ってこい」 「アタシ猫じゃないからそんなのいらない」 「似たようなもんだろ、自由気ままな所とか。さぁ、行った行った。俺は仕事探してくるからよ」
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