148人が本棚に入れています
本棚に追加
「おはよう、諸君。君達のおかげで、昨日の仕事は大成功だった。では、恒例の朝のミーティングなんだが…ってかお前ら、少しは聞けよ」
ガルシアの自宅兼事務所内には、所員が揃っていた。アニーとブラムの二人だけだが。そしてこの二人、ガルシアの話をまったく聞いていない。アニーは銃の手入れをし、ブラムは爆睡中。
「ミーティングやっても意味ないでしょ、仕事ないんだから。大体何でそんな偉そうなのよ」
「いや、実際偉いから。所長だよ、俺。仕事無くてイライラしてるのは分かるが、俺に当たるな。それに、やることが無いわけじゃない」
言うなりガルシアは[ガルシア専用、使った奴は微塵切り]と書かれた机に向かい、書類らしきものを取り出しアニーに放る。
「昨日の仕事の報告書。依頼人に届けて金貰ってきて」
「仕事無いんじゃなかったの?」
アニーの言葉にガルシアは苦笑し、肩をすくめる。
「報告書届けるだけだぜ、ガキでも出来る事を仕事とは言わないだろ。俺達には俺達しか出来ない事がある。そういうのを仕事って言うんだ」
「これも立派な仕事だと思うけど?」
不満げながらもアニーは外へと向かい、立ち止まり振り返る。
「ガルシアはどうするの?まさかサボり?」
「所員が動いてんのにサボれないだろ」
「働いてるとはいわないのね」
「はいはい、どうせだからブラムも連れてけ。ほら、起きろブラム」
未だに爆睡中のブラムを軽く小突き、目を覚まさせる。
「…んにゃ?報告書届けるのは嫌だよ」
「聞いてた上で寝たふりかよ…帰ってきたらマタタビあげるから、さっさと行ってこい」
「アタシ猫じゃないからそんなのいらない」
「似たようなもんだろ、自由気ままな所とか。さぁ、行った行った。俺は仕事探してくるからよ」
最初のコメントを投稿しよう!