来訪者

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「出発は明日の早朝、私が迎えに来るわ。遺跡まで二日位かかるから、相応の準備しておいてね。それじゃあ」  それだけ言うと、ロザリカは帰ってしまった。 「…やれやれだな」  大きく伸びをし、息を吐く。 「まったくね、我らが所長は何を考えてるのやら」 「ガルのことだから、何も考えてないんじゃない?」 「お前らな…少しは優しくしようとか思わない?」  俺って、もしかしなくても人徳無いのか? 「ガルシアに優しくしてもメリット無いし」  人との付き合いを損得で考えるなよ。 「溢れんばかりの愛を注いであげるよ、マイハニー」 「ガルシア、お願いだから止めて、死にたくなるから。っていうか、お願いだから死んで」  ワ~ォ、キツい一言。あまりのショックに今夜は一人で寝れそうにありません。 「溢れんばかりの愛、いいな…」  ブラムの予期せぬ発言に思わず固まってしまう。聞き流せ俺!聞かなかったことにしろ俺! 「いいな…アニー」  聞こえない!何も聞こえない!夜にコイツといたら、俺は文字通り捕って喰われて明日の朝には骨になる! 「ねぇ、ガル…」 「ぐあぁ!耳が痛い!痛すぎる!」 「よかったわね。ブラム、ガルシアが溢れんばかりの愛をくれるらしいわよ」  悪女め!余計なことを言うな! 「とにかく!明日は早い各自準備をしておけ、以上!解散、終了、さっさと帰れ!」 「了解。ブラム、あまりガルシアを困らせないの。帰るわよ」 「えぇ~」 「いいから、帰ったらマタタビあげるから」  騒ぎながら二人が出ていった。なんか凄く疲れた。  さて、明日の準備でもするか…。
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