興味

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あれから私は上の空だった。 「なに?」と聞かれたあと私はなにも答えられず、彼は行ってしまった。 それから福音と話しているときも、家でご飯を食べているときも彼の悲しい目が頭から離れなかった。 彼はいったい誰なんだろう。彼は何故あんな悲しい目をしていたのだろう。 次の日、私は早速彼の事を調べようと思った。 しかし私の通っている高校は小、中、高校生まで一貫のマンモス高校である。だから彼を探すことは難しかった。 彼が三年生のバッチをしていたのを思いだし、私は気乗りしなかったが三年生にも教えている大熊に聞きに行くことにした。 職員室の前までやって来た。 「失礼します。大熊先生いますか?」 ここでは先生とつけておかないとやばい。 「お~水那。どうした…?」 いかにもめんどくさそうに話しかけてきた。 「あの~先生に聞きたいんですけど、三年生に色白の髪がサラサラの人っていませんか?」 悲しい目の事は言わなかった。 「ハァ?そんなんわかるかよ~」 当たり前の返答だったがこいつが言うとムカついた。 「そうですよね~」 「ガラ…」 「…失礼します」 私はその声に振り返った。彼だ!!突然の事で驚いて「あっ!!」と声を出してしまった。職員室中の人の目線が注がれた。 その時彼と目があったが彼はスグに目をそらした。 「どうした?」 半笑いで大熊が聞いてきた。 「いやあの人です。さっき言ってた人。」 「あ~あいつか。あいつは桐 來斗(くずきり らいと)だ。俺もよく知らないけどな。」 「なん組ですか?」 「え~と三年五組だ。」 三年五組になら知り合いの先輩がいる。中学の頃の先輩で木馬 沙織(もくば さおり)先輩だ。いまでも仲がいい先輩だ。 早速先輩にメールをした。 「ちょっと聞きたいことがあるんで良いですか?」 スグに返事がきた。 「いいよぉ~こっち来な。」 このメールは好都合だった。彼、桐 來斗さんがいたほうが話は進めやすい。 三年五組までやって来た。 「沙織先輩~。」 私は教室のドアの所から声をかけた。
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