感情

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私と沙織先輩は廊下で話をした。 そして桐 來斗さんについて教えてもらった。 桐 來斗さんは成績優秀で運動万能。 いつも本を読んでいて、人と話してることはあまりないらしい。 沙織先輩も話しかけてみたらしいが 「うん」「そうだよ」 とか淡白な返事しかしなくて今ははもう話してないみたいだ。 ざっと説明してもらうと 「なになに?もしかして桐くんのことが!?」 こんな質問だと、みんな同じようなことしか言わないんだな。 「ちがいますよ~。ちょっと気になっちゃって・・・」 「やっぱ気になってんじゃン。紹介したげるよ。」 「え!!」 そして強引に手を引かれ桐 來斗さんのところまで連れてかれた。「ねえ桐くん。ちょっといいかな?」 「・・・なに?」 本を読んでいる途中に話しかけたからなのか、 ちょっと不機嫌な感じに答えた。 「あのね~こいつ私の後輩で水那 ヘイラって言うんだ。」 「で?」 興味が全く無いようで私はちょっと悲しかった。 「で?じゃなくてさ~こいつの気持ちに答えてやってよ。」 「ちょっと先輩!?」 桐 來斗さんが不思議そうに私を見ていた。 「君は俺になにかしてほしいの?」 その質問にどう答えていいかわからず。少しの間黙ってしまった。 そしてこう答えた。 「私は・・・あなたが何なのか知りたい。」 自分でもよくわからないことを言っている。 でもこれしか言えることがなかった。 あの悲しい目の事。 閉ざされた性格の事。 それは何故なのか、知りたいと思った。 「ハハッ」 私は驚いた。桐 來斗さんが笑った。 当たり前の事だが、隣にいる沙織先輩も驚いている。 「変な事をいう子だな。」 「すいません。」 「別にかまわないけど。」 「えっ?」 私はその一言がとてもうれしかった。 何もかも閉ざしているような彼が私に心を開いてくれた気がして・・・ でも桐さんはすぐに本に目をやり自分の世界に入ってしまったようだ。 「そろそろ授業も始まるから帰んな。」 私は半ば放心状態でクラスに戻った。 そして授業中に沙織先輩からメールが入った。
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