感情

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そして授業中に沙織先輩からメールが入った。 携帯を隠しながらメールを見た。 「さっきの事について詳しく聞こうじゃない。今日私のうちに来なさい。」 なんとも強制的なメールだった。 絶対に桐さんのことについてちゃかす気だな、と思いながらも「わかりました。」と返事を返した。 放課後、校門で先輩と待ち合わせをしていた。校門で待っていると先輩が来た。 その後ろには何故か大熊がいた。 「大熊先生?!なんでいんの?」 「何でいんのはないだろ。」 ふざけんな。こっちにとっちゃなんでいんのだ。 ここで先輩から説明が入った。 「いやさっきの事先生に話してたら先生も気になったみたいで。 だから先生もうちにく来る事になったんだ。」 「そゆこと。今日はひ暇だしね。」 沙織先輩の説明が終わるとまた半笑いで話てきた。 二人は仲がいいみたいで、 沙織先輩の家へ向かう途中、 話は二人だけで盛り上がって、私はかやの外であった。 沙織先輩の家は高層マンションの38階だった。 高所恐怖症の私としてはこんな所によく住めるな、と来るたびに思う。 玄関を開けて中に入った。 中には誰もいないように静かだった。 「あれ?誰もいないの?」 と大熊が聞いた。 「いや妹がいるんだけどちょっと今は引きこもっちゃって・・・」 そういうと大熊は「そうか。」と聞いてそれ以上は聞かなかった。 普通教師なら心配するだろうが、 こいつはそんな面倒な事に首を突っ込みたくないみたいだ。 「まあ気にしないで。」 といった沙織先輩の顔は笑顔だった。 もちろんそれは私たちに気を使った作り笑いだった。
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