仕事を探そう。

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「やはり難しいか?」  小さく力ない声で、美琴は呟く。初めから期待などしていなかったのかもしれない。 「俺に当てはないけど。でも、情報を売ってる奴を知ってるよ」  ギルティアはそう話すと、顔を上げ笑顔を見せた。  その言葉に、美琴の顔に明るい表情が戻る。期待に満ちた笑顔を見せていた。 「シウ=カルヴァーナ。よく街角でリュートを弾いている吟遊詩人だよ」  美琴は、首をかしげてギルティアの顔を見返した。 「吟遊詩人?」  まるで意味を理解できないといった様子が、美琴の声に現れている。 「初めてか? 聞いたの」  ギルティアの言葉に、美琴はこくこくと頷いた。  そして次の答えを期待するような瞳で見つめる。 「う~ん、そうだなぁ。歌とか音楽を売り物にしてる奴らだよ」
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