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ギルティアは空を見つめ、考えるようにそう呟いた。
すると美琴は感心しているような、驚いているような表情を見せている。
「歌を歌って暮らしているのか?」
「そう」
「そんな事で、お金を得る事ができるのか?」
「上手ければな」
美琴は、好奇心に満ちた瞳をギルティアへ向けていた。
そして矢継ぎ早に質問を投げかける。
「誰でもなれるのか」「収入はどのくらいか」「どこに住むのか」「旅行ばかりしているのか」などいろいろな細かい質問を。
ギルティアは、唸るようにその質問に答えていた。
しかし結局のところ「本人に聞いてくれ」としか言い様はないのであるが。
「美琴、お前吟遊詩人になりたいのか?」
ギルティアは、うんざりしているような表情で呟く。
すると美琴は、興味なさそうに首を横に振った。
「私は、陰陽師になりたくて修行しているのだ。他に代えるつもりはない」
ギルティアは、ぴくっと眉を上げる。
「お前なぁ、それならそんなに聞くなよ。話が進まないだろ?」
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