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そんなミゼルオーラを見て、リュミレスは笑みを浮かべる。
―まるで少女のようだな。まだあどけない。
「話はちゃんと聞くわ。変な顔をしてごめんなさい。どうぞ、続けて」
その言葉を聞いて、ミゼルオーラの顔にぱっと笑みが広がった。
それも幼さを強調するような表情である。
「良かった。神官様も他の方も、皆聞いてさえくれなかったのです。……神様は、私におっしゃいました。異国より不思議な力を持つ姫が、海を渡って来た。その少女は、その力で争いを治めてくれるだろうと」
話しを聞いて、リュミレスは眉間にしわを寄せ、考え込むような仕草を見せた。
「争いを治める? 八年前から続いている妖魔との? 他は…ないわよね、確か」
リュミレスの真剣な眼差しを受けて、ミゼルオーラはこくりと頷く。
「おそらく。私は、そうだと思うのです」
ひどく真剣な、必死な面持ちでミゼルオーラは訴えた。
しかしリュミレスはまた、考え込んでしまう。
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