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「シウ=カルヴァーナは、俺だよ。何か用事があったんじゃないのか?」
美琴は、ぱっと顔を上げる。意を決したように話を切り出した。
「そうだ。仕事を探しているんだ。ギルティア=パルーダに相談したら、貴方ならどうにかできるかもしれないと言われた」
美琴は身を乗り出すような勢いで話す。
その勢いに、シウは思わずたじろいだ。顔をだんだんとひきつらせていく。
「どんな仕事を探してるんだ?」
「幽霊退治とか、妖魔を退治するとか、そんな仕事だ」
美琴は、さらに勢い良く話し続ける。しかもその顔は期待に満ちていた。
それに対し、シウはひきつるような笑みを浮かべ、一歩退く。それもあまりの勢いに押され気味であった。
「幽霊なら一つ知ってる。北にある村に幽霊屋敷があるんだ。誰も近付けなくて、今は立ち入り禁止になってる」
その言葉に、自然と美琴の顔に笑みが広がる。
――やった。見つけた。
「そこの幽霊を退治すれば良いのか?」
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