仕事を探そう。

20/37
前へ
/434ページ
次へ
「シウ=カルヴァーナは、俺だよ。何か用事があったんじゃないのか?」  美琴は、ぱっと顔を上げる。意を決したように話を切り出した。 「そうだ。仕事を探しているんだ。ギルティア=パルーダに相談したら、貴方ならどうにかできるかもしれないと言われた」  美琴は身を乗り出すような勢いで話す。  その勢いに、シウは思わずたじろいだ。顔をだんだんとひきつらせていく。 「どんな仕事を探してるんだ?」 「幽霊退治とか、妖魔を退治するとか、そんな仕事だ」  美琴は、さらに勢い良く話し続ける。しかもその顔は期待に満ちていた。  それに対し、シウはひきつるような笑みを浮かべ、一歩退く。それもあまりの勢いに押され気味であった。 「幽霊なら一つ知ってる。北にある村に幽霊屋敷があるんだ。誰も近付けなくて、今は立ち入り禁止になってる」  その言葉に、自然と美琴の顔に笑みが広がる。 ――やった。見つけた。 「そこの幽霊を退治すれば良いのか?」
/434ページ

最初のコメントを投稿しよう!

386人が本棚に入れています
本棚に追加