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「とにかく、見つからないようにしましょう」
男がそう呟くと、姫と呼ばれる人物はこくこくと頷いた。
「とりあえず、どうしますか? これから」
何故であろうか、男は平静さを取り戻したようだった。
さっきまでの怯えた様子がまるでない。それは姫と呼ばれる人物の表情のためであろうか。
「鬼が出るのを待つわ」
姫と呼ばれた人物は、きっぱりと答えた。
そして真剣な眼差しで男を見つめる。それは、それ以外は考えていなさそうな気配であった。
「鬼が出たら?」
男は、心配そうな表情を顔に浮かべていた。
「私の技で、倒す」
姫と呼ばれる人物は、さも当たり前といった様子で答える。
そう何をいまさらと思っているような表情をしていた。
それに対し男が気難しそうな顔で何か言おうと口を開きかけた時、姫と呼ばれる人物が手で口元を押さえそれを制した。
そして頭上の板を真剣な眼差しで見つめている。
「来た」
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