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『メラニー、あの家、行ってるんでしょ?』
『なぁぜ?私がママの言いつけを守らないことあって?』
インゲは溜め息混じりに笑った。
『ええ、守らないことだらけ。
でも、お願い、あの家には行って欲しくないの。』
『わかったわ』
メラニーは母親と目を合わせないように言った。
何か怖い事が起きそうなイヤな予感をインゲはぬぐいされなかった。
あの時の
血に染まったベッドは今もそのままだろうか?
そんなはずはないわね。もう何年も昔のことなんだもの…
頭の中にあの日の光景がよみがえる…
そこに立っているのは?ガブリエラ?
ちがう、メラニーだわ。ここで何をしているの?
メラニーがゆっくりと部屋を指差す。
血の海の中にガブリエラが横たわっている…
『見ちゃダメよ!』
インゲは娘を引き寄せて、その頭を抱えた。
血のにおい…ビスクドールたちが見ている…
インゲは恐ろしくてたまらない!『メラニー、逃げなきゃ、ここから!』抱き締めたメラニーの体が冷えて行く…
しっかりと抱えているはずの娘を見ると…
それはガラスの目の人形だった。
口の端からタラリと血を流しながら、ガラスの目で見上げている。
!!!!!!!
突き倒すと人形の頭はゴロリと外れた。転がった頭の跡がてんてんと血に染まる…
『タースーケーテー…イーーンーーゲーー』
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