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部屋の中からは激しく物がぶつかる音がしている。
警官は銃を抜くと、鍵穴めがけて発砲し、ドアをあけた。
『ぐああっ!』
最初に目に飛び込んで来たのは人形。
メラニーが高々と抱えあげたあのビスクドールだった。
『驚くじゃないか…!……!!!!』
メラニーの背後は…
部屋の中は、まるで竜巻の後であったかのように、机や本棚、ベッドがメチャクチャに壊されて散らばっていた…
『ガブリエラが…やったの……………』
『だれだって?』
『この子……………』
メラニーは抱えているビスクドールを示した。
『……そんなもの』
『オイ待て!』
人形を取り上げようとした警官の腕を別の一人が押さえた。
ぎぎぎ…
人形は
首をゆっくりと回すと、廊下で立ち尽くすインゲに向き直った。
『…アアアァ…………………イーーンーーゲーー』
それは頭の中に直接響かせるような恐ろしい声だった。
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