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『ママ、今日、クノッペルさんがお人形を家の中でみせてくれたわ』
『え?
あの家に入ったの?』
メラニーは、母が顔をしかめて振りかえるのを見て、直感的にまずい!と思った。
『私、ちゃんとお行儀良くしたわ。それに窓辺のお人形に少しだけ触らせてもらったの…』
『ダメよ!』
インゲはピシャリと言い放った。
『ダメ!あの家には二度と行かないで!二度と!いいわね?』
母、インゲの勢いに、メラニーは驚いて目を見張り、コクンとうなずいた。
『昔ね、ママはあのお家の娘と仲良しだったのよ…………』
『もう死んでしまったけれど…あの家にはいい思い出がないわ…』
辛そうに目を伏せるインゲ。
そんなこと、メラニーに話す事じゃなかったわね…
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