Ⅰ.HEVENorHELL

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三月中旬…受験生達の運命の時、合格発表。 その会場に三人の少年達がいた。 「うー、合格してるかなぁ……」 そんな心配そうな声を上げる少年の名は田辺 光(たなべ・こう) その少年のイメージを問うと、十人中十人がこう言うだろう。 ……うん、まあ中の上かな? 平均よりは整っている顔立ちに、その年では少しだけ高めの背丈。 そんな光の声をよそに、隣から間の抜けた声が聞こえて来る。 「大丈夫だって受かってるだろ!」 そう能天気そうに言うのは光の親友の一人である、向井 隼人(むかい はやと)。 短い黒髪をツンツンに立てているその少年は、辛気臭い様子の光に喝をいれるかのように肩を叩いた。 そんな隼人の様子を見ていたもう一人の少年から冷やかな声が聞こえて来る。 「何言ってんだか……。受験の後、俺の人生終わった~とか言ってたくせに」 そう言ったのはもう一人の親友、望田 怜夜(もちだ れいや)だ。 地毛なのか、少しだけ蒼みがかかっている髪をヘアゴムでまとめているその少年は、俗に言うイケてるメンズ。略してイケメンと呼ぶにふさわしい容貌をしている。 「…………ま、まあそんな事よりあれだろ!?合格者が書いてある看板!」 そう言って隼人が指差した場所では、大勢の人達が一喜一憂していた。
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