ダンデライオン

9/12
前へ
/852ページ
次へ
「まぁ、それもしゃあないんちゃう?」 「またそうやって!ユズはちょっと『執着』ってもんを覚えた方が良い!」 「そう言われてもなぁ…」 あと数歩で商店街が途切れる、という所でわたしと直は立ち止まった。 直はここの花屋さんの娘で、一緒に帰る日にはいつもここで別れる。 「ほな、ね」 「日曜日忘れんといてよ!無関心ガールのユズにエイトの良さを教えたる!ばいばい!」 そう言いながら直は大きく手を振って店に入っていった。 わたしはそれを見てから再び歩き始める。 ちょっと行った所に駅はあって、鞄のポケットから定期を出すと自動改札機に通してホームに入った。          
/852ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2780人が本棚に入れています
本棚に追加