エンドレス鬼ごっこ3

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      無性に、あの大口を開けた笑い声が、聞きたくなった。 あの声が無性に、こいしい。 あいたい。 あいたいよ、すみれさん。   おれの寝ている部屋の壁一つ向こうですみれさんが、 声を殺して泣いている夜。 隣の部屋で悔しさに一晩中歯噛みしたけれど。   おれの部屋に酔っ払って乱入してきたすみれさんが、 おれのことを男として見ていないからこそ、おれを押し倒す夜。 その部屋から、怒鳴りたいような泣きたいような気持ちで逃げたけれど。   すみれさんが、 ソープの客をアパートに連れてくる、夜。 ただ、独りで泣いたけれど。   それでも、 それでも、 おれはあんたがすきだよ。 あんたにとって、失礼な言葉でも、 おれはあんたを守りたいよ。 あんたがもう、泣かなきゃいい。 あんな靴、履かなきゃいい。 わらってよ。 わらって。 あんたが、すき。 すきだ。
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