世の中から消えた日

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猛は、街をさ迷い途方にくれていた。 (俺は、一体何の為に生きてるんだろう…) (守るべきものも、守るべき人も居ないというのに…) (世の中に必要とされて居ない存在なら、いっそのこと…) グゥゥゥーッ 考えを中断させるほど大きな、お腹の音が鳴った。 「何もしてなくても、お腹は減るんだな…」 そう呟きジャケットのポケットから財布を取り出し中身を見た。 152円 それが猛の全財産だった… (どうしよう… 何か買って食べようか… それとも、明日まで辛抱するか…) (買うにしても何が買えるだろう…) 空腹感が少しだけ、 猛を生きる方向へと戻していた…
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