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ハルはポケットから銃を二丁取り出した。
フェイスとヴァイにそれぞれ手渡す。
「これを使うがよい。私が開発した最新兵器じゃ」
手の平に収まるほどの小型の銃だ。
「何だか頼りないなぁ。こんなんで大丈夫かよ」
文句を言うフェイスを無視して、イェンはハルに詰め寄った。
「長官、よろしいのですか?」
イェンの言葉には二つの意味がある。
一つは、犯罪者である彼らに銃を与えるということ。
二つ目は、特殊保安部の制約についてだ。
特殊保安部は表立った行動ができない。
そのため銃弾のような物的証拠が残ると、いささか困ることになるのだ。
そうなると発砲も簡単には許可できないし、銃弾の回収にも苦労することになる。
イェンが気にしているのは、その点だった。
「何も心配いらんぞ。その銃から弾は出ないからの」
「じゃあ何か? ビームでも出てくんのか?」
フェイスが銃口を覗き込む。
「水じゃよ」
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