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[俺の存在理由はなんだ?]
そう思うと必ず三橋の顔が思い出される。
今にも涙を溢しそうな表情。
もう見慣れた泣き顔なのに…頭から離れない。
何で泣きそうだったのか俺は解らなかった。
解ったのは三橋が二十歳という若さで亡くなってからだ。
三橋は癌に体を侵されていた。
成すすべも無い程酷い状況だった。
三橋は…俺が行くなと叫んでる中で亡くなった。
そこで解った。俺の存在理由。
そしてあいつが泣きそうだった理由。
俺の存在理由は…三橋と一緒にいて初めて出来る。
気づくのが遅すぎた。
三橋が亡くなってから気づいても意味が無い。
俺の存在理由は無くなった。
三橋といる事で意味を成す理由。
もう生きる意味が無い…。
俺は愛する人の所に行くため…手首を切った。
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