アラスカ

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下から、順番に。 一番下は、大量の紙。 恐らく書類の類だ。 2段目は、ペンが沢山入っていた。 シャーペンに始まり、ボールペンにマジックペン。 ペン立てに片付ければ良いのではないか。 と思われる。 とりあえず、そこを閉じて一番上を開けた。 すると、そこに有ったのは1冊の本。 絨毯と同じ赤茶色をしたハードカバー。 結構な厚みがあり、これだけがポツンと置かれていた。 この引き出しの中には、この本以外何もない。 「怪しいな」 ふと言葉が漏れる。 手に取ってみた。 怪しげな物に対して沸き立つ衝動から来たものである。 厚みのある表紙をめくった。 「……何々?」 開けてみると、中は本ではなかった。 まばらな手書きの文字。 日記帳である。 黒いペンで書かれたようだ。 簡単に、パラパラとめくってみたが、全部までは書き切れていなかった。 戻り、一番最初のページから読み始める。 日付は書かれていない。 書きたい日に書きたい事を書いた物らしく、エッセイに近い。 エッセイとは、日本でいう随筆と同じ物だ。 好きなものを、好きな様に、好きな時に書く。 それがエッセイである。 ふむ……、と本を机の上に置き、椅子を引き出す。
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