106人が本棚に入れています
本棚に追加
あらゆる物が凍てつく白銀の世界。
今、フェイクがいるのはそんな場所だ。
場所は、アメリカ大陸の北部に位置するアラスカ。
確か、アレウト族の言葉で半島って意味である『アラクシャク』が語源である。
周囲には、氷ばかり。
いや、自然も残っているから緑と銀の世界かな。
とりあえず、近くにある町に向かうとする。
とりあえず、そこで簡単に車とかを借りよう。
そんな事を考えながら、ザクザクという音を立てながら雪の地面を踏み締める。
寒さはキツイが、フェイクはいつもと何ら変わらないいでたちだ。
これは、寒さなんかでは死なない。
というフェイクの体質も関係しているが。
だが、全く寒くない、と言えばそれは嘘だ。
やはり、肌寒いくらいの感覚はある。
町の輪郭がうっすらと見えてきた。
ブリザードの為に、凄く見え辛いが。
吹雪の中、コート1枚で歩いてくる人間なんかがいたら、さぞ滑稽な景観だ。
多分、そこの人達から見たら、フェイクはただの狂人に見えた事だろうな。
少しかかり、町についた。
その頃には、吹雪は止んでいた。
だが、町だと言うのに、そこには活気という物がない。
ゴーストタウン、そんな比喩が良く合うだろう。
最初のコメントを投稿しよう!