アラスカ

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「まるで、『セントラリアの坑内火災』みたいだな」 呟く。 『セントラリアの坑内火災』とは、アメリカ、ペンシルバニア州で起きた事件の名前だ。 ゴミを燃やしていたら、その下層にあった石炭の層に引火し、それからはずっと地下火災が続いている。 簡単に説明すると、こんな感じだ。 だが、ここはそんな事はないだろう。 地下で何かが燃えている様な高熱は感じられない。 「不思議な感じだな。世界に自分一人しかいないような……、そんな感じがする」 とりあえず、調べてみるのが先決だろう。 自分が見てみた本にも、ここがゴーストタウンであるという記述はなかった。 なら、ここで何かが起こった筈だ。 そこで、フェイクの好奇心は刺激される。 どうしても、突き止めてみたい。 そんな自然な衝動は抑える事なんて出来はしない。 人間にとって、謎を解明したい、と思うのは本能なのだから。 「先ずは、――」 そう言い、フェイクは1丁の大型リボルバー拳銃を取り出した。 愛用のS&W M500、通称『ジェノサイド』である。 フェイクは、それを構え、銃口を地面に対して垂直に向けた。 そして、発砲。 弾丸が、天に向けて放たれた。
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