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高らかに、銃声が鳴り響いた。
銃声が鳴れば、野次馬が現れる。
人間のそんな心理を利用した、簡単なテストの様な物だ。
この音を聞き付け、人が現れれば、そいつを捕まえて色々聞き出せば良い。
そう考えたのだが……、しかし無駄な様だ。
1分くらいその場で立ちすくめていたが、誰も来ない。
仕方なく、撃ってしまった1発分を装填。
いつ、何が起こるか解らない今の世界だ。
用心にこした事はない。
当然、銃の弾をいつでも最大にしておくのは当たり前と言えよう。
銃をしまい、自分から探索を行おうとスタンスを起こす。
こういうのはじっとしていても始まらない。
そういう事を、フェイクは知っていた。
「手始めにあの家から調べてみるか」
そう考え、向かった先はフェイクから見て左にあった民家。
距離は、すぐそこ。
目と鼻の先の様な距離である。
壁はコンクリートで固めた様な、真っ白。
コンクリートに窓枠をはめた様な簡素な家だ。
こういうのが、いくつも存在する事により、この町は出来ていた。
フェイクはその家に近付くと、ドアノブに手を触れる。
扉は木製で、ノブは金属製だ。
そして、丸く、回すタイプの物の様である。
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