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「子供部屋か……。
まだ、小さかったんだろうな」
ベッドの大きさから、この家の子供の大きさが伺える。
恐らく、身長90cmくらいだろう。
一番やんちゃで、可愛らしい時期だ。
「何もないな。この部屋は。
今度は右の部屋へ行くか。迷ったら左なんだがなあ……」
部屋を見回しても、何か情報になりそうな物はない。
ここにいても無駄だ。
とりあえず、右の部屋へ移動する。
右の部屋は、書斎だった。
立ち並ぶ沢山の本棚。
アンティーク調の家具でコーディネートされた空間。
赤茶色の絨毯に、ウィスキーのボトルまであった。
明らかに、この部屋だけが抜きん出ている。
豪華絢爛、という4文字熟語には少し遠いかもしれないが、他の部屋より豪華なのは明白だった。
ここも、この世の黒い部分とはかけ離れていた。
とても、しずかで、とても、落ち着く。
黒い手袋を付けた手で、服を直しながら机に近付いた。
机を回り、引き出しの前へ行く。
木製の机だ。
光沢を持たせ、光らせている。
引き出しは椅子を中央にして、左右に3つずつ。
そして、更にそのどちらの上にも横に広い鍵付きの引き出しが付いていた。
とりあえず、下の左右3つずつの引き出しから見て行く事にした。
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