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第五章 入院
東京に戻ったおれはまた仕事に追われ忙しい日々が続く。
夏から秋に変わる頃、忙しさせいか、母との連絡はあまりとらなくなっていた。
しかし秋はおれの誕生日があるのでその日は母から連絡があると思い電話を待っていた。
しかし夜中になったが連絡はなかった。
不思議に思ったおれは実家に電話をしてみる。
が、何度掛けても出ない。父が携帯を持っている事を思いだしすぐに掛けてみる。
すると父が出たので何かあったのか聞いてみると、母が2、3日前から入院いているとの事。父は大丈夫だからと言うが、やはり心配になり母に代わってもらった。母は誕生日おめでとう、とわりと元気そうだった。おれは次の月に地元に帰れそうだからと母にお見舞いに行くと伝えて電話を切った。
次の月おれは飛行機とバスで地元に帰り、すぐに病院に向かった。
病室のドアを開けると母がベッドに座っていた。
夏から比べるとかなりやつれているのがわかった。
『わざわざ帰って来なくてもよかったのに』と母はうれしそうに言った。
おれは「どうせすぐに戻る事になるけん。」と言った。
言葉通りにおれは2日ぐらいで東京に戻った。
それからは父の携帯に連絡をしていたが、冬になっても退院の言葉は出てこなかった。
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