試合当日

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ついにきた、決勝戦の朝。外に出ると、空は青く澄んでいて、雲一つない快晴だ。でも、俺の気持ちは少し曇っていた…。 試合前のミーティング 「なぁ、翔。陽平がまだ来てないんだけど、知らないか?」 みんなが陽平のいないことに、騒ぎだした。 みんなに陽平のことを言わないといけないと思うが、なかなか言いだせない。 ガチャッ…コーチが入ってきた。 「よ~し、みんな集まってるか?ミーティング始めるぞ!!」 「コーチ、まだ陽平が来てません。」 「…陽平は、今日の試合には出られない!!」 「えっ?!!!!」 みんなが同じ反応をした。 「陽平は、心臓に重い病気をかかえていて、昨日の練習の後に倒れた。今病院で寝ている。」 「そんなこと聞いてないですよコーチ!!」 やはりみんなは動揺した。 「みんながこんなふうに動揺すると思ったから言わなかったんだ。」 翔が話し出した。 「あと、陽平はもうバスケが出来ない。次、激しい運動をすると命の保障は出来ないと言われた。」 「そんな…。」 みんなの士気が落ちたのが明らかに分かった。 「でも、みんな!!今まで俺たちは陽平に頼りっぱなしやった。だから、この試合に勝って、陽平をインターハイに連れていってあげよう!!それが今俺たちに出来る、陽平への最高の恩返しだと思う!!」 「でも…陽平の得点力がないと…。」 「今日はその言葉言わないようにしよう。陽平が抜けて、マイナス約30点。たしかにデカい点数やけど、みんながいつもより3点多くとれば、カバー出来る!!だから、みんな頑張ろう!!」 「そうだな、陽平がバスケ出来なくなって、一番悲しいのは翔なんだよな。みんな、いっちょ暴れてやろうじゃん。」 「オゥ!!!!!!!!!!」 「よ~し、みんな気持ちは決まったようやな。じゃあコートに行くぞ!!」 「ハイ!!コーチ!!」 みんな一つにまとまり、イイ顔つきでコートへと向かった…。
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