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陽平が流れを変えてくれたおかげで、4Qは5点差と3点差をいったり来たりする、シーソゲームとなった。
「みんな踏ん張れよ!!必ず逆点出来る時がくるから!!」
「オゥ!!」
しかし、点数は3点差を超えなかった。
時間は過ぎ、残り5分強となった。
「コーチ。俺をもう一度出させて下さい。」
「ダメだ!!お前は自分の未来を無くすつもりか?!」
「俺は、ここでインターハイに出られなかったら、未来を無くしたも同然なんです!!翔とインターハイに行くことが、俺の未来の全てなんです!!」
コーチは正直ためらった。しかし、陽平の強い気持ちを受け止めた。
「分かった。でも、お前がキツそうだったら、すぐに代えるぞ!!」
「ハイ!!ありがとうございます。」
ビーーーーッ
「ハァ、ハァ、陽平…。」
「翔。夢を実現させようで。」
ここまで陽平を頼もしいと思ったことはなかった。
「オゥ!!」
陽平が入り、点差は2点となった。しかし、陽平が入っても逆点出来ない。
時間が残り1分を切ろうとしたとき……
ガクッ!!
陽平が倒れそうになった。
ビーーーーッ
コーチがタイムアウトをとった。
「陽平。交代やな。」
「待ってください。あと残り1分、出させて下さい。お願いします。」
「コーチ!!俺からもお願いします!!」
「翔…。」
「仕方ない。でも、残り1分陽平はオフェンスだけだ。良いな。ディフェンスは4人で何とか守れ!!」
「ハイ!!」
そして、4Q最後の1分間へ…。
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