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キュッキュキュッ…
「試合前だぞ!!みんな声出せ!!」
「はい!!」
「陽平が来るぞ、止めろ!!」
ダン、ダダン、キュッキュッ、ザシュッ!!
「クソ~、やっぱ陽平は止めれないや。まぁ明日の試合も安心ばい。調子良いみたいやな、陽平。」
「ハァ、ハァ、ハァ…そんな・こと・ないよ、翔。いつも通りだよ。」
「いつも通り?でも、何かいつもよりきつそうやな。大丈夫や?」
「試合続きのせいか、最近チョット体調悪くて。」
「そうか、そうだよな。陽平に頼り過ぎてるからな。明日はみんなでカバー出来るようにするよ。みんな、明日は陽平にチョットでも楽してもらえるように頑張ろうで。」
「ウィッス!!」
「ヨシッ!!じゃあ今日はこれで終わりにするぞ~、みんな明日に備えてゆっくり寝ろよ。お疲れさん。」
「お疲れでした!!コーチ!!」
みんなそれぞれ体育館を出て行った。
「陽平、帰んないの?」
「うん、もうちょっとシュート打ってから帰る。」
「そっか、じゃあ俺が球拾いしてやるよ。」
「アリガト。いつもいつもゴメンね翔。」
こうやって練習後に陽平がシュート練習をするのは、昔からだった。特に試合前は念入りにする。どんな試合でも、平均して30点以上とるのには、これだけの努力がある。
しかし、陽平は今まで自分がエースだとは言ったことがない。でも、誰よりも一番自覚はしていたようだ。自分が点をとらないといけないということは…。
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