初めての再開

2/9
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
うだるような暑さだ。 髪や背中や腕という体のあちこちから毛根が開いていく。 そこからからじめっとした汗が吹きだして、シャツにはりつく。 いい年をした男が、昼間から子供やその親の多い公園にいると、居心地が悪い。 何もしていないのに、まるで犯罪者扱いだ。 口では何も言わないけれど、無邪気な子供と違って、母親たちの無言の背中での警戒心がつきささる。 帰ろうか、待ち続けるか。 さっきから考えがふらふら変わり続けている。 今日、20年ぶりに父親に会う。 父は俺が5歳の時に別れたきり1度も会っていない。 顔さえ忘れてしまった父に会うことになったのは、この腰痛のせいだ。半年前ーー。 風呂あがりに腰に違和感を感じた。 (最近、残業続きだったからなあ・・・) 接骨院に行って、いつものように治せばいいやと考えていた。 日増しに痛みは増し、車に乗っていても、椅子に座っていてもズキン ズキン と痛みは小刻みにやってくるようになった。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!