あったかい風

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それからわたしと藤中先輩の 恋人関係・・は始まった 友達にうちあけると笑って一緒によろこんでくれた。 いままで毎日先輩と話してたけど ドキドキが違う 先輩のやさしい目や 頭をくしゃって撫でてくれること おいしいお茶を一緒にのむこと すべてがキラキラしていた ―ある日の放課後―‐ 先輩は毎日のように練習がある わたしはいつも日蔭で プールの水の音を聞きながら 体調をみつつ先輩を見ていた すると先輩が休憩にやってきた 「藤中先輩、お疲れ様」そっとタオルを渡す 「なぁ音、そろそろ翔太って・・・呼ばない?」先輩が横に座っていった。わたしはなんだか恥ずかしくて 「だって・・なんか恥ずかしい」 わたしが照れてると 先輩はまた笑って 「翔太って言ったらご褒美あげる」 ん―‐なんだろ? 気になったわたしは 多分顔を真っ赤にして 小さな声で 「・・・翔太先輩」 「ははっ、音かわい―‐」 先輩は一言いって わたしの手を握りしめた ドキドキ―‐ そして 「ご褒美!」 いちごポッキーをくれた 「ご褒美ってこれですか?」 「もっといいもの期待してた?(笑)」 「大好きだからいいですけど・・びっくり」 わたしがわらうと 「・・じゃあ、もっとあったかいご褒美・・・」 先輩が近づいてきた 「・・・あ―‐」 あったかい風の中 先輩の唇が わたしの唇に 少しだけ そっとふれた――‐‐
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