帰り道

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先輩はまだわたしを見つめていた きっとわたしが目をそらして 話を変えようとしたことに 気付いてるから―‐ 先輩の口が開く 「音は―‐‐病気なのか?」 ―ドクン―‐‐‐ 胸が大きく反応する 笑えない―‐ でもまっすぐな先輩の目からは 逃げられなかった 「いつかは話さないと って思ってたんですけど―‐」 わたしは―‐ 「心臓に―‐ちょっとした病気があって―‐まだいまの治療では治らないみたいなんです」 「心臓―‐」 「でも!最近は安定してて調子もいいんですょ」わたしは明るく振る舞った 先輩はそんな私をみてる イタイ―‐イタイ―‐ 先輩の瞳がいたい―‐ 先輩はぽんって頭を触って 「わかったから 無理すんなょ」 優しい言葉・・・ わたしは少しだけ泣きそうになりながら ありがとうって呟いた・・
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