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母は少しの間だまって
下を向いていた
こんなに近くにいるのにわたしと母ってこんなにも遠かったかな?
わたしも思わず下を向いた
‐―ズキッ―‐
―あっ―‐
また痛みが走る
わたしは胸を押さえた
「音?!」
母は声がでない私を抱きしめ
「ごめんね、ごめんね・・・・・」
繰り返し呟いていた
母に抱きしめられたのは久しぶりだった
痛みが和らいでくると母の涙がわたしにたくさん跡をつけていた
そして母は少しずつ話し始めた。
「音が発作おさまってからもね。病院定期的に通ってたでしょ?何ヶ月も音、逃げるようにいってなかったよね・・やっぱり感じてたの?」
あぁ・・・母は気付いてたんだ。わたしは母をみて「お母さんが・・・つらい顔してたから次はなにかある気がして・・・」
「そうね・・音は昔から母さんの気持ち察するの得意だったものね」
「・・・・・・・」
母はわたしの頭を撫でて
「それからあなたの学校にも連絡して保健室にいく回数とか、体調とか毎日聞いていてね。もう限界かもって思ったの。音・・病院いきましょう」「どうして?そんなに焦るの?わたし・・・たまに発作は起きても元気だょ・・・」
「・・・・元気でも突然この世からいなくなる子もいるのよ」
―?!―‐
わたしは声がでなくなった
お母さん・・・いまなんて言ったの―‐?!
「―‐音にいなくなってほしくない―‐」
お母さん―‐私の病気は
なんですか―‐?
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