迷い

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わたしと先輩はまだ人気のまばらな電車に乗り込んだ わたしの街から1時間もすれば 小樽という綺麗な町並みと、海の綺麗な場所がある わたしは小さい頃からこの街が大好きで 母や父に連れてきてもらっていた 窓際からみえる いままでいつも見ていた景色 でも今日はいつもと違ってみえた 翔太先輩がいるから 大好きな人がいるから 先輩は景色をみていた その横顔がいつもより眩しくみえて わたしは目が離せなかった 「音、海みえたょ」 「わぁ―‐!」 明るい太陽に きらきら反射する海 きらきら 気がついたらいつのまにか 涙がこぼれそうになっていた 先輩はわらって 頭を撫でて 人気のない車両でまた 頬にキスをくれた 「先輩―‐ありがとう。わたし検査から逃げない。がんばるから」 「うん―‐‐泣きたくなったら・・・・いつでもここがあるよ」 わたしの中で 迷いも 不安も たくさんある けどわたしはあなたが好きだから 逃げません そばにいたいから 頑張っていきます
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