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指先から伝わる
その手の先から
その人の鼓動が伝わる
わたしを守る
温かい手
目を開けて
この人と話したい・・・
瞼の向こうから
ドアの開く音が聞こえた
「翔太くん、音についてて疲れたでしょ。少し休んできたら・・」
―ママの声がした―‐
「いえ、なんだか今日は音がかすかに手を握るんです。もしかしたら意識が戻るかもしれないから」
―翔太・・・先輩の声―‐
やっぱりあたしの手を握っていたのは先輩だったんだ―‐
あたしはあのとき
倒れたんだ―‐
「もう音が倒れてから二日になるしね。」
「・・・・だからもう少しここで・・」
「わたしが・・音をもっと強く産んであげられたら・・・・」
ママが泣いている―‐
そしてママは続けて言った
「こんなに頑張ってるのに・・・・長く持たない心臓なんて・・・」
わたしの塞ぎようのない耳に
貫いた言葉
命の宣告だった―――‐‐
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