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暗い―‐
助けを呼ぶように暗闇に手を伸ばした瞬間
まっしろな世界が視界に広がった
「音、目が覚めたのね、いつも無理するなっていってるでしょ」
「―佐伯先生、ごめんなさい―‐」
気がついたら保健室にいた。体が弱いわたしはかなりの保健室の常連だった。
先生は軽く微笑んで
「今度からちゃんと日蔭にいるように。いま飲み物持ってくるからね」
そういって佐伯先生は保健室から出ていった。
―またやっちゃったなぁ―‐
そう思いながら布団の中でモゾモゾしていると
すぐに扉が開いてだれかが入ってきた。
「先せ―‐」
―あれ?―‐言いかけて振り返ってみると
そこには先生じゃなく
あの窓際の名前も知らない先輩が
立っていたんだ。
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