例えるなら…

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『またね、流れ星がみえたんだよ』 彼女はそう呟く 食べられない金平糖を指で弾きながら それは良かったと流すだけでも、 彼女は気にしない 『こうやって投げれば、即席流れ星っ』 あっ と声をあげぬ間に 窓辺からは桃色の金平糖が落ちていった 『見えた?』 彼女は何時もよく解らない言動を取る 『あ』 ? 『月が白いや…』 見上げた四角い空にはくっきりと真っ白な月が浮いていた 『キレイだね』 彼女の言葉に ただ頷いた 長い沈黙が訪れる 『もう…いいよね?』 金平糖は手に握られたまま 『そっちに行っても、迎えてくれる?』 望まないよ そんな事は… でも 『置いてけぼりは…もう嫌なんだ…』 涙で滲んだまま微笑う彼女に 『先に逝かないでよ…』 オレの声は届かない… 彼女が袖で其れを拭う 『還りたい。月に、貴方に』 月は空なのに 『行こうか』 立ち上がる彼女と共に 窓辺から沢山の金平糖が落ちていった 彼女が創る流れ星に オレは密かに願いを込めた…
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