第一章

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むかぁしむかしのその昔…   ある田舎の小さな小さな丘に『まつ』と言う一匹の猿が住んでおりました。 小さな頃からいじめられていた『まつ』ゎ仲間も居なく自分で自分を慰める毎日を送ってました。   淋しい『まつ』ゎ周りの目を避けて麓に降りて行くと、途中で不思議な扉を見つけたのです。   恐る恐る入って見ると、そこゎ自分を知る者が居ない幻想の世界…   浮かれ狂った『まつ』ゎどぅしても自分がお山の大将になりたくて、違う自分を造りあげました。 雌が欲しくなった『まつ』ゎ色付き眼鏡と偽りの過去、そして虚勢を手に入れたのです。   こうして『まつ』ゎ小さな我城を手に入れたのでした。 しかし自分が思い描いていたのとゎ違い、雌とゎ交えず、暇つぶし相手や金ズルとしか扱われておりませんでした。   悩んだ『まつ』ゎ隣の幻想の世界に足を踏み込んでいっきました。 そこゎ平和な世界で皆仲良く暮らしております。   『まつ』ゎそこで女将と、音楽家と、色木瓜女という幻想の住人と知り合いました。 交尾がしたい『まつ』ゎ一生懸命二つの世界を行き来して、在らぬ自分を造りあげ、暴君へと変貌していったのです。   それゎ現実の世界にまで飛び火していったのでした…
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